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時をかける少女 2010

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「時をかける少女」と聞いて、どんな作品を思い浮かべるかによって年代が分かれる。
私は・・・「初代」・・・
と言っても「大林宣彦監督の尾道三部作の原田知世主演のそれ」( 1983年)ではなく、NHKの少年ドラマシリーズ「タイム・トラベラー」(1972年)のほうなのだが・・・

久しぶりに「時をかける少女」(2010年)の新作を観た。



今まで何度も映像化・映画化されてきた筒井康隆原作のSF短編小説「時をかける少女」を新たな視点で映画化した上質の青春映画。母の代わりに1970年代にタイム・リープした娘の切ない体験を丁寧に描写する。ヒロインを演じるのは、アニメーション版『時をかける少女』でも主人公の声を担当した仲里依紗。その相手役の純朴な青年を『ROOKIES -卒業-』の中尾明慶が演じている。今も昔も変わらない人を思う気持ちにじんわりと胸が熱くなる。



リメイクの「時をかける少女」ではなく、どちらかと言うと、大林版「時をかける少女」のアンサー・ムービーみたいな内容になっていてかなりぐっと来た。
大林版「時をかける少女」を好きな人は是非みてもらいたい映画だ。
原田知世が演じた芳山和子は薬学部に進みタイムリープの薬を独学で作り出すことに成功していた。
このあたりの設定がちょっと突拍子もないのだが、その娘、芳山あかりが1972年を目指してタイムリープする。
1972年というのは、NHKが「タイムトラベラー」を放送した年なのだ。
結局、あかりは2年後の1974年に到着してしまうのだが・・・・

そのヒントとなるのが、大林版のラストシーンだ。
主人公の芳山和子は大学で薬学の研究をしているという「未来」を描いている。
この原田知世を今回は安田成美が演じている。この辺りのキャスティングは上手いな。



仲里依紗が声優を演じていたアニメ版「時をかける少女」



映画の中に出てきた8mmカメラのフラッグシップ機、フジカシングル-8 ZC1000
バイトして買ったな・・・
ただし、ZC-1000が発売されたのは、1975年なので、舞台となった1974年時点では販売されていないんだけど。しかも、映画で使用していたカメラはズームレバーが折りたたみ式になっていたので、1979年に発売された”New ZC-1000”のほうだよ。さらに5年も後に発売されるものなのに・・・。もしかすると、あかりの父親となるゴテツがタイムリープして未来から持って来たカメラだったのかもね。
8mm映画の撮影風景も甘酸っぱい記憶の億に眠っていた。

涼太「その時はオレ、56のオッサンだけど、良い?」

まさに、56のオッサンになろうとする私が今、この映画を観たのも何かの因縁か・・

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スティーヴン・スピルバーグが制作した「スーパー8」はつまらない8mm映画を製作している学生の映画だったが、この「時をかける少女 2010」は日本版の「スーパー8」・・・つまり「シングル8」というムービーでもあるわけね。
ここにシンクロする世代って限られて来るけれど、大学生時代に8mm映画撮っていた人たちにも観てもらいたい映画だったりする訳で・・・

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ただし、エンディングのサクラのシーンがとても残念だ。
36年も経ったという設定なのに、並木の風景はまったく同じなのだ。
まるで”2週間経ったら桜が咲きました”みたいに見えてしまう。
もっと違う風景を並べたほうが「時の流れ」を演出できたのではないかな?

芳山あかりという女子高性の活躍がずっと描かれて行くけれど、やはり主人公は芳山和子だと思う。
事故で意識を失った芳山和子が娘の身体を借りてタイムリープしていくストーリーだと思える。
良く出来た「ジュブナイル・ストーリー」だと思う。
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この映画の中で上手いなと思うのがやっぱりキャスティングだ。
若い世代の人の感想の中には、芳山和子の役が安田成美ではなく、原田知世のほうが良かったという人が多かったが、私はそう思わない。当時の芳山和子役にしても原田知世はちとイメージと違うかなと思っていたので、映画としては評価は低い。しかも、「後日談」として捉えるのも違うと思っているので、「母性」を観じさせない原田知世の起用はありえないと思うのだ。
 で、74年の芳山和子役の石橋杏奈が安田成美に目元が似ているのだ。若い頃の安田成美に似ている訳ではないのだが、彼女が大人になったら安田成美みたいな顔立ちになるのかもと思わせるものがある。
 石橋杏奈が、当時の「美人さん」顔をしているのだ。仲里依紗のような今風の美人ではなく、74年当時の知的な美人なんだな。そこが筒井康隆の原作のイメージも近く、NHK「タイムトラベラー」の芳山和子役の島田淳子(のちに浅野真弓に改名)にソックリなのだ。
これを指摘する旧いファンの声も多い。

これって、NHKの「タイムトラベラー」の続編ではないか! 

タイムトラベラー


当時の「美人」って、今のようなアゴのラインがシャープな顔立ちと違って、ほおのふっくらとした顔だったような気がする。(個人的な趣味かもしれないが) そういう意味で、このキャスティングは見事だ。
大林版の深町一夫を演じた高柳良一の面影のある石丸幹二の配役も上手い。
旧い時代を懐かしく描くという映画は数多いけれど、それとは違った「当時」に連れて行ってくれる映画は少ない。
ちと脚本がいただけないものだったけれど、アニメ版と同じく、ほろ苦いあの時代へタイムリープしてしまう作品だった。

ちなみに、NHKの少年ドラマシリーズ「タイム・トラベラー」の最終回は、NHKオンデマンドで観ることができます。

連続ドラマ タイム・トラベラー 筒井康隆「時をかける少女」より 最終回「タイム・エネルギーの謎」


【追記】
この映画の中で、涼太たちが製作していた8mm映画”光の惑星”が実は重要なヒントになっているらしい。
この8mm映画はネット上で6話分公開された。本編では意味不明だったその内容と、あかりが演じたラストシーンだった訳だが、実はラストのあかりが演じた少女こそ、先に地球から脱出し助けに行く”ミクちゃん”の姿だというのです。つまり、悲劇だった結末を涼太は、救出しに行くミクちゃんの後ろ姿を撮り足すことで、未来への希望としたというラストだったのです。
 そういう意味で、あかりが涙を流す意味が隠されていたというのです。(記憶は消されているのですが) あかりは再びあの時代へ救出に行くという暗示なのかも知れません。

映画『時をかける少女』について。Yahoo!知恵袋

しかも、第2話や第3話で映される地下シェルターは、NHK版『続 タイムトラベラー』でケン・ソゴルが21世紀に造った秘密基地に近い造形となっているそうだ。
当時を知る年代にもつながる「時かけ」になっているのがうれしい。


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