映画「月光ノ仮面」と「粗忽長屋」

001_20130329130422.jpg

板尾創路の監督第2作『月光ノ仮面』をテレビで観た。
これ、落語の「粗忽長屋」を知っていないとピンと来ないのじゃないかな?

粗忽長屋(そこつながや):落語あらすじ事典 千字寄席  

当人、止めるのも聞かず、死体をさすって、
「トホホ、これが俺か。なんてまあ浅ましい姿に……
こうと知ったらもっとうめえものを食っときゃよかった。
でも兄貴、何だかわからなくなっちまった」
「何が」
「抱かれてるのは確かに俺だが、
抱いてる俺はいってえ、誰なんだろう」


この噺をシュールなものとして捉えるか、単にうっかり者として笑い飛ばすかによって、映画の評価も大きく変わるだろう。

映画前半は「犬神家の一族」の佐清と同じように、落語家・森乃家うさぎがふたり戦場から帰ってくる。
板尾演ずる偽物の森乃家うさぎは十八番だった古典落語“粗忽長屋”を呪文のようにつぶやき続ける。
映画の中では次々と”不条理”が描かれ続ける。
そしてラストシーン”抱かれてるのは確かに俺だが、抱いてる俺はいってえ、誰なんだろう”に結ばれる。

難しいことは言うまい。
それこそが、”粗忽長屋”が持っている不条理さなのだと思う。
これを、笑えるか、シュールと思うか。だけなのだ。

映画は多くの人の感想がNGを出している。
私も高評価はしない。
ただし、単にタレントとして見ていた板尾創路という俳優が、とてもシュールな、不気味なキャラクターであることに改めて気づかされた。
本編中で粗忽長屋を呟くだけで、全く台詞のない板尾が、これほどまでに不気味で、シュールな味を見せているとは思ってもいなかった。

”板尾創路による、板尾創路のための映画”
そういう評価が的を射ているのだと思った。


月光ノ仮面 [DVD]月光ノ仮面 [DVD]
(2012/06/06)
板尾創路、浅野忠信 他

商品詳細を見る
関連記事
スポンサーサイト

comment

Secret

プロフィール

どんぶらこ

Author:どんぶらこ
南信州からどんぶらこ!
どんぶらこ HPへお立ち寄りください

来店者数
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
最新トラックバック
カテゴリ
どんぶらこへのMail

名前:
メール:
件名:
本文:

記事検索
リンク
amazon
amazon
ProductCloud