細かなところを見ていくと、そのものズバリのクルマは存在しないということなのではないかと思われるが、この「Ford 1932年型 Model B Roadster」辺りが一番近いかもしれない。 この頃はクルマは量産と言ってもまだカスタムメイドに近いような生産方式で、カタログや写真を見てもかなり様々なボディデザインがあるようだ。 絵本と大きく異なるのは、Roadsterは2シータなので、絵本のような2列シートはConvertible Sedan のようになってしまい、後部にスラントデッキのトランクのあるモデルは存在しない。 1930年式のA型の特徴はバンパーが上下二本あることで、絵本と共通しているが、多くはスペアタイヤをボディサイドに取り付けている。1930年式A型としなかったのは、ラジエターグリルが屏風折りになっている1932年式の特徴が描かれているからだ。また、表紙の絵に明らかなように、フロントスクリーンの上端の縁が細いRoadsterの特徴が見て取れる。