カロリーヌ絵本のクルマは?

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papayoyoさんのコメントにもあるとおり、古い小学館のカロリーヌの絵本を懐かしく覚えている方も多いと思う。
私も初期の小学館版で体験したクチなのだが、その中でも「たのしいドライブ」は強く印象に残っている。

カロリーヌのたのしいドライブ/L'automobile de Caroline;クルマノエホン livres d'images de voitures

これ、作者のPierre Probst (ピエール・プロブスト)氏が何回か書き直しているのと、出版社が絵の差し替えを行ってしまっているので見た人の印象もだいぶ異なるのだけれど、あくまで当初のオリジナルの話。
この、カロリーヌ達が乗っている赤いクルマは何だろう?

縦長グリルの上端に水平のパルテノン風デザイン
パルテノンの上が冷却水の注入口(キャップ)になっている
バンパーはダブルの水平板
幌つきのオープンカーでフロントスクリーンは垂直に立つ
ドアは2枚
シートは2列で6人乗り?
後部にトランクのスラントデッキがある
最後尾にスペアタイヤがついている
サイドステップがある



作者はフランス人だが、絵本の舞台はアメリカらしく、当時のアメ車が多く登場する。
カロリーヌのクルマはそれより旧い(よく故障する)クルマという設定で、1930年頃のデザインであることがわかる。

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きょうはたのしいどうらぶ。 らいおんのキッドが「ぼくものせてよ」

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くるまがパンクで道路は長い渋滞。

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トラックに追突して積み荷のじゃがいもに埋もれてしまう。

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湖畔で昼食を楽しんでキッドはお昼寝。

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急に降り出した雨でクルマはスリップ。

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雨があがって近くの農場から助けに来てくれました。

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「牛さん、道をあけて」

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クルマは修理工場へ。 「だれか乗せてよ」

私の読んだものは小学館の絵本と同時期に「小学1年生」に掲載されたものだったので、いくつかの場面が省略されている。
出発前のガソリンスタンド
タイヤが外れる
じゃがいもを捨てる
池を覗く
・修理工場の風景

人間の記憶というのは面白いもので、「絵本が懐かしい」のではなく「絵本によって思い出される当時の記憶」が懐かしいだけなのだと思う。
同じラストシーンの左側のカロリーヌたちがヒッチハイクしている絵は懐かしいが、カットされていた右側の修理工場の遠景は「初めて見る絵」でしかないのだ。

ところで、この赤いクラッシックカーは何なのか?

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細かなところを見ていくと、そのものズバリのクルマは存在しないということなのではないかと思われるが、この「Ford 1932年型 Model B Roadster」辺りが一番近いかもしれない。
この頃はクルマは量産と言ってもまだカスタムメイドに近いような生産方式で、カタログや写真を見てもかなり様々なボディデザインがあるようだ。
 絵本と大きく異なるのは、Roadsterは2シータなので、絵本のような2列シートはConvertible Sedan のようになってしまい、後部にスラントデッキのトランクのあるモデルは存在しない。
1930年式のA型の特徴はバンパーが上下二本あることで、絵本と共通しているが、多くはスペアタイヤをボディサイドに取り付けている。1930年式A型としなかったのは、ラジエターグリルが屏風折りになっている1932年式の特徴が描かれているからだ。また、表紙の絵に明らかなように、フロントスクリーンの上端の縁が細いRoadsterの特徴が見て取れる。

ただし、カロリーヌの絵本も話によってリアにトランクのある「Roadster型」の時と、垂直に切り落とされた「Sedan型」の時とがあり、ピエール・プロブスト氏も統一は取れていないようだ。様々な資料を混在して描いたというのが真相ではないかと想像される。



それにしても、今見てもピエール・プロブスト氏の絵は軽快でいいな・・


カロリーヌのじどうしゃレース (カロリーヌとゆかいな8ひき)カロリーヌのじどうしゃレース (カロリーヌとゆかいな8ひき)
(1999/04)
ピエール プロブスト

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やっぱりオリジナルはいい!

おおーっ、私のコメントがこんなことに。
私の長年の疑問がかなり紐解けて感謝です。
本書に対する思い入れ、クルマに対するご見識に脱帽。
勝手ながら小生ブログのリンク先に”どんぶらこ”追加させていただきました。今後もよろしくお願いします。
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