「抗日ドラマ」は観てはいけない

中国共産党が推奨する「抗日ドラマ」は、戦争当時の日本軍がいかに卑劣で極悪だったかを中国国民に植え付け、国民の不満の矛先が共産党に向かないようにするためのプロパガンダドラマだが、この「抗日ドラマ」は日本国内にも存在する。
最近のTVドラマを見ていて不思議に思うのは、戦時下の主人公がたいてい「こんな戦争はいけない」と考えている点だ。
確かに、現在の人たちの共感を得るためのドラマなので「戦争バンザイ」と言っているようなドラマでは誰も観てくれないのも事実だろう。
しかし、当時の日本で、しかも情報が極端に遮断され、一方方向に世論がコントロールされた戦時中にそのように考えていた人は希だったはずだ。「戦争が終わって良かった」と思えるのは、実は戦争が終わって(敗戦して)しばらく経ってからだったと聞いたこともある。
現代人の冷静な感情を、戦時下の主人公に語らせてはいけない。
冷静な判断ができなくなる、それが間違っているということにすら気づかせないことこそが、戦争の恐ろしさなのではないかな?(一旦「危険ハーブ」に手を出してしまうと止められないような危うさと同じだ)

いかに戦争が愚かな行為で、非人道的で、それに対して主人公が「正しい心」を持っていたかを描いても、それは「抗日ドラマ」と同じで、嘘でしかないのだ。
繰り返して言うが、私は「戦争が正しい」と言っているのではない。「戦争は良くない」と思えなくなることこそが戦争の本当の恐ろしさなのだ。それは今の時間の隣に、日常として存在してしまうことの恐ろしさでもある。
それを描けないのでは、中国の「抗日ドラマ」を笑う資格はない。

c_img_001.jpg

テレビ朝日開局55周年記念映画『少年H』が8月17日(日)21:00より、テレビ朝日系「日曜洋画劇場」にて放送されます。

『少年H』
理不尽な戦時下にあって清く正しく生きようとした、妹尾河童の自伝的小説。
ただし、自伝とされる戦時下のエピソードのいくつかが『事実』と異なるらしい。

妹尾河童の『少年H』が1997年、小学館児童出版文化賞と野間児童文芸賞の候補にノミネートされた。たまたま両賞の選考委員を委嘱されていた著者は、腰をすえて読み始めて間もなく、なんとも名状しがたい困惑にとりつかれたという。これはよほど気をつけて読まなければ危ないぞと、用心しいしい読んでいったら、至るところに、あの戦争時代の、その時期には絶対にあり得ないようなことが、事実あったように書かれているのを大量に発見した。では、なぜ『少年H』は史実誤認やら歴史的齟齬をきたしてしまったのか。《山中恒=少国民H》が『少年H』論に仮託して、銃後生活の真実に鋭く





物語なんだから、多少は事実と異なる点もあるのじゃないの? という意見も分かる。
ただ「戦争はいけない。兵隊さんは悪い人」というステレオタイプが一人歩きすることは避けなければいけない。
「本当の戦争の怖さ」を理解するためには、本当は「それができなかった」ことの理由を理解することのほうがずっと大切だ。

どうも、このところの終戦記念日前後に放送された、ドラマや映画、ドキュメンタリーにそうした「抗日ドラマ」的な胡散臭さを感じてしまうのだが・・・

ただ、ローカル局の終戦記念日にニュース番組で放送した「特攻隊の少年が飛行機を操縦して実家の上を三回回って母親に別れを告げた」という事実には驚かされた。検証VTRでも、実際に行えば即除隊というような大変な規律違反だったのだが、用意周到に準備された計画が見事成功したのだ。そして彼は4ヶ月後に特攻で戦死している。
「散って悔いなし」という遺書と、母親に別れを告げたいという感情の矛盾こそ戦争の怖さなのだと思った。

「戦争は悪いこと」というだけの「抗日ドラマ」を検証できる冷静さこそが「反戦」へとつながるのだと思う。

ちなみに・・・
この論調の難しいところは、「少年H」に反論する人の多くが「自由主義史観者」である点だ。
私のはそれとも違うのだが。
戦争はうわべだけの「私は戦争に反対」ではくい止めることができないし、その感情すら消し去られてしまうのが「戦争」そのものだからだ。






間違いだらけの少年H―銃後生活史の研究と手引き間違いだらけの少年H―銃後生活史の研究と手引き
(1999/05)
山中 恒、山中 典子 他

商品詳細を見る
関連記事
スポンサーサイト

comment

Secret

プロフィール

どんぶらこ

Author:どんぶらこ
南信州からどんぶらこ!
どんぶらこ HPへお立ち寄りください

来店者数
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
最新トラックバック
カテゴリ
どんぶらこへのMail

名前:
メール:
件名:
本文:

記事検索
リンク
amazon
amazon
ProductCloud