エコカーは経済的か?

三菱自動車の燃費データ不正問題以来、軽自動車の燃費についてあれこれ取りざたされている。

最近の軽自動車の多くが「アイドリングストップ」機構を採用しており、信号待ちなどの際にはエンジンを停止してガソリンの消費を抑える仕組みになっている。
燃費の計測は2011年からそれまでの「10-15モード」から「JC08モード(ジェイシー ゼロハチモード)」による測定方法に変更され、より実際の走行燃費に近い数字になったはずだった。
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シャーシダイナモに乗せて、約20分間走行させて燃費を計測した後、空気抵抗値などの係数を掛け合わせて算出する。
図を見て分かるのが、結構「速度0km/h」つまり、停車している時間が長いことだ。
モードから計算すると、1204秒の計測時間のうち、実に345秒 約6分近く停車している。
市街地の交差点を想定したモードなのだろうけれど、メーカーとすればその時間、エンジンを止めてしまえばガソリン消費がなくなり、燃費は格段に良くなる。
さらに、0km/hと言わず、時速13km/h以下になったらエンジンを停止してしまえというのが今の軽自動車の「アイドリングストップ機構」なのだ。
先のJC08モードでは、1204秒の計測時間のうち、424秒 約7分もエンジンを止めていることになる。
(減速時に13km/h以下になる時間)
こりゃ燃費が良く見える訳だ。

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【三菱 eKスペース 試乗】アイドリングストップ領域拡大、乗り心地もより上質に

で、問題なのが、アイドリングストップ機能のために必要なコストだ。

一般的に、アイドリングストップ機構のついたモデルと、付かないモデルでは、スズキMRワゴンの場合で94,500円程度だそうだ。
MRワゴンの公称燃費はアイドリングストップ車で27㎞/ℓ 従来車で25.5㎞/ℓ。
年間10,000㎞走行するとして、アイドリングストップ車で370 ℓ/年 従来車で392 ℓ/年。ガソリン価格が110円/ℓとしてアイドリングストップ車で40,700円 従来車で43,120円となり、差額は2,420円/年となる。
94,500円の価格差をこの燃費差で取り返すには、39年もかかる計算になってしまう。

しかも、アイドリングストップのために、頻繁にセルモーターを回さなければならないために、バッテリーは従来型のものより大きな容量タイプのものが必要となり、補助電源モジュール(リチウムイオンバッテリ)を併用しているものの、バッテリへの付加は大きく、4-5年ごとにバッテリを交換しなければならない。(24,000円程度)

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バッテリーは交換すれば済むのだが、問題なのはセルモーター自体。
メーカーのマニュアルを見てみると、ENG・A-STOPコントローラにスタータ駆動回数を記録しており、18万回(メーカーによって16万回)カウントするとスターティング・モーターを守るためにアイドリングストップ機能をキャンセルするようになっているらしい。

IMG_0426.jpg

18万回って相当な回数に思えるかもしれないが、通勤で片道30回のアイドリングストップがあった場合、1日60回。年間20,000回。
9年間(8年間)で18万回(16万回)に到達してしまう。
つまり、中古の軽自動車を購入した場合には、アイドリングストップしないこともありうるのだ。

そんなに交差点で停まらないよ、と思われるかもしれないが、アイドリングストップ車に試乗してみれば分かるのだが、信号待ちだけでなく、前方がつかえて速度が落ちた場合や、ノロノロ運転の時など、停車していなくても頻繁にアイドリングストップし、そのたびにスターティングモーターが回るので、想像以上にそのカウンター回数は上昇し、バッテリー類の負荷も大きい。

もちろん、スターティングモーターを交換して、ENG・A-STOPコントローラに記憶されているスターター駆動回数をリセットしてやれば再びアイドリングストップ機能を利用することも可能となる。

この機構を搭載するための工場の消費エネルギーや、その価格などを考えれば、決して「エコ」とは言えないと思うのだが・・・
メーカーも消費者もカタログの燃費だけに惑わされてはいけないと思うのだが・・・
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クリーンでもない?!

え〜、触媒温度の低下がそんなことになっていたなんて・・・
空気抵抗の値もチョンボするくらいなんだから、そっちの見えない値なんかもっと何かやっていそうですね。

アイドリングストップの多い車は・・・

どんぶらこさんが言われているように、全然エコノミーではありませんよね。

それよりも・・・
停止時間中に、触媒の温度が下がってしまいますから、排ガスの浄化不足の状態が頻繁に起きます。
なので、全然クリーンじゃありません。

ハイブリッド車の場合は、モーター走行の頻度が高いとさらに触媒が冷え切ってしまいますので、エンジン始動時の排気ガスが、さらにクリーンではありません。

エコロジーでも無ければエコノミーでも無いことを、メーカーが一番わかっているのだと思います。
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