NHK「未解決事件・オウム真理教」

名称未設0定

前回の「未解決事件・グリコ森永事件」からだいぶ間があいたけれど、今回は「File02 オウム真理教」だ。

 放送されたのは「実録ドラマ」と称して、取材の状況や事件のあらましを追ったドラマで、本チャンは、

NHKスペシャル(ドキュメンタリー×実録ドラマ)
5月26日(土)第1部 午後7:30~8:43 第2部 午後9:00~10:13
5月27日(日)第3部 午後9:00~9:58


として放送されるもので、その予告編とも言える番組だった。

 改めて事件の概要を辿ると、当時見えなかったものがうっすらと見えて来た気がする。なぜあのような高学歴な頭のいい人たちがオウムに傾倒して行ってしまったのか?”なぜ?”

 当時、私はとある本を著すためにひんぱんに編集者と連絡を取っていた。この担当編集者、様々な情報ルートを持つ人でかなり前からオウム真理教の危うさを教えてくれていた。松本サリン事件が起こった時も警視庁はオウムの犯行を確信していると教えてくれた。地下鉄サリン事件の直前には山梨県上九一色村の教団本部への強制捜査が行われるという情報を掴んでいた。(それを逃れるための地下鉄サリン事件だった訳だが)だからこそ、連日連夜テレビのワイドショーで行われたオウム真理教への”公開裁判”のような番組には違和感を覚えていた。事件が発覚する前、テレビ局はなぜあんな狂気じみた番組を平気で流すことができたのか。異端児を排除する論理がまかり通ってしまったのか。
 私自身オウムを擁護するつもりはないけれど、”異端の排除”で片付けてしまう風潮には納得していなかったため、当時の”どんぶらこ掲示板”にはさかんに私の持論を書き込んだものだった。(ぐっと閲覧数を減らしたが)

 オウムが信徒を集めて行くのはバブルに突入する前段階で、日本中が浮かれて狂喜乱舞していた時代だ。冷静な人こそその時代の狂気さに気がつき何か”本当のもの”となる答えを求めていたのではないか?それが当時ヨガサークル「オウムの会」が若い学生たちに受け入れられてしまったのではないのか?時代の寵児として『月刊ムー』などもさかにもてはやした時代だった。しかし、オウムがそれまでの新興宗教と大きく異なったのは、信徒が大学生を中心とした皆若い人たちだったということだ。それがために、グル(麻原)の発言を拡大解釈して大事件を起こし続けて行くようになってしまう集団心理が働きやすかったということか。

 オウム真理教を”異端のカルト集団”と定義してしまうことは簡単だ。でも、それでは何も解き明かされないのではないのか?
 例えば、よくある事件、「産地偽装」「闇カルテル」「談合」「贈収賄」なども非合法なのだが、会社の中ではそれらは継続的に行われ、社内からは誰も異議を唱えようとしない。それと同じようなことがオウム内部に見られるのではないのか。組織を守るため、という大義名分が組織人としての「個」を打ち負かしてしまうのではないのか。
 オウム真理教が1990年(平成2年)に真理党を結成して第39回衆議院議員総選挙へ大量立候補を送り出したものの誰一人当選できず、社会的孤立感を実感して行ったのではないのか。そしてそれが(まるで子供のように)自分以外はすべて自分を攻撃しているという短絡的な被害者妄想にすりかわり、若い幹部がそれらを増幅解釈して行ったのではないのか。実際にサリンやVXガスを精製できる技術を持った土谷正実が入信したことが悲劇を拡大させた。

 実際のところ、反社会的な破壊活動に一線を引くのは当然なのだが、宗教とは本来そうした危うさを持ち合わせているものではないのだろうか。日本人はそこのところが非常に曖昧に受け入れているため理解はされにくいが、歴史的にみても宗教がもたらした排他的殺戮は枚挙にいとまがない。さらにそれらは現在でも続いているのが事実なのだ。大国アメリカと言えどもそうした宗教的な考え方が政治を動かしている。
 ハルマゲドン思想だってよくある教典の例だ。何もオウムだけが特別な教えをしていた訳ではない。信仰を深めれば深めるほど、他の信仰を排除する”聖戦”を認めている宗教も多くあるのも事実だ。

 オウムは越えてはならない一線を越えてしまった事実は否定できない。しかし、ドラマで描かれたように、そこに傾倒して行ってしまった若い信者の多くがとてもピュアであることも事実なのだろう。金の亡者になりさがって行く当時の日本の中で「これはおかしい」と気持ちがゆらいでいたのかも知れない。そこにつけいる隙を与えてしまったのかもしれない。

NHKがこの事件の真相をどのように解いていくのか興味深い。

NHKスペシャル「未解決事件 File01 オウム真理教」


カルトにハマる11の動機―オウム真理教古参信徒が実例で証明カルトにハマる11の動機―オウム真理教古参信徒が実例で証明
(2000/06)
加納 秀一

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